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  2. 茶事預り

 茶事預り師範とは、上田宗箇流独特の制度で「上田家茶事預り師範」というのが正式名称である。上田家の代々は、藩の国老という要職にあり、茶の道だけに専念というのが難しく〝宗箇の茶の湯〟を正確に伝えていく役が必要であったのだろう。
 宗箇が隠居した年に、野村弥兵衛ノ尉が宗箇の名を慕って広島に住み、上田家に百石で召し抱えられ、宗箇の茶の湯を学んだ。後に休夢と号し、初代上田家茶事預り師範となる。休夢の弟子に中村知元という人がいて、同じく上田家に仕え、預り師範になる。以来、野村・中村両家は、明治時代に至るまで上田家に仕え、預り師範を務め、十五代中村快堂が没した後、両家とも嗣がなく、高弟から向井竹蝸堂を十六代に、加計静堂を十七代としたが、昭和三十年静堂が没して、上田家茶事預り範制度は終わった。

野村家

初代 休夢(盛安)
二代 円斎(安宗)
三代 祖休(敏之)
四代 旦心(貞榮)
五代 休夢(清明)
六代 祖休(幸治)
七代 餘休(貞固)
八代 円斎(盛孝)
御庭焼茶碗 銘 玉椿
野村家7代 野村餘休作

中村家

初代 知元(雅親)
二代 元賀(忠秀)
三代 泰休(延清)
四代 知斎(篤美)
五代 元賀(一正)
六代 泰心(忠和)
七代 快堂(豊次郎)
*中村 快堂 以降
十六代 向井 竹蝸堂(律)
十七代 加計 静堂(登代子)

竹二重切花生
中村家六代中村泰心作

 

茶杓 銘 串山
中村家七代中村快堂作